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プラスチックは加熱すると変形する、という特徴があります。そのため、様々な形に成形し、簡単に大量生産が可能になりました。
また、軽くて強く、透明性があり、色を付けることも自由にでき、電気を通しにくい絶縁性や、熱を伝えにくい断熱性があり、衛生的にも優れています。
最近では、金属と同じ強度を持ち、熱や衝撃にも強いプラスチックや、反対に人間の皮膚のようにとても柔らかなプラスチックも開発され、様々な分野で利用されています。

プラスチックは、私たちの貴重な資源である「石油」からできています。精製所で石油の元である原油を加熱分解すると、「ガソリン」「灯油」「ナフサ」「軽油」「重油」「アスファルト」などができます。このうちの「ナフサ」と呼ばれる液体が、プラスチックの原料になります。
「ナフサ」にさらに熱を加え「ポリマー」を作り、さらに加工しやすくするための添加物を加えて「ペレット」ができます。このペレットがプラスチック成形工場に運ばれ、プラスチック製品に加工されます。

プラスチックには、大きく分けて2つの種類があります。

1.熱可塑性(ねつかそせい)樹脂
熱を加えると溶けて柔らかくなり、型に入れて冷やすと固まって製品になりますが、再度熱を加えると、再び溶けて柔らかくなるという性質を持っているプラスチックです。

2.熱硬化性(ねつこうかせい)樹脂
熱を加えると熱可塑性樹脂と同じように溶けて型に流れ込みますが、さらに加熱すると今度は硬くなり、いったん硬化した後では、基本的には熱を加えても再び柔らかくならない性質を持っているプラスチックです。

一般に、プラスチックを作り出すには、たくさんの石油が使われていると思われがちですが、実際は石油の全使用量におけるプラスチックの割合は、わずか7%程にしか過ぎません。
もしプラスチックが無く、すべてを他の素材で代用するとしたら、今以上のもっとたくさんの資源が必要になり、はるかに大量の石油をムダ使いすることになります。

プラスチックは耐久性があり、腐食に強いという特徴から、「公害性の強い素材」というイメージを持たれることもありました。しかし現在では、使用済みのプラスチックを焼却処理する際の熱エネルギーを利用して、暖房や温水などへ有効活用したり、再び溶かしてベンチなどの材料として再利用するなど、貴重な資源として効率よく利用されています。
また、微生物によって分解され土に返る、「生分解性プラスチック」も開発され、人と自然に優しい素材として大きな注目を集めています。

◎デクラノボン「生分解性プラスチックでできたうちわの骨」

★生分解性プラスチックとは
土中の微生物等と太陽光によって分解され、土に返るプラスチックです。
ポリエチレン、ポリプロピレンなどのプラスチックの原料の「ポリマー」に、でんぷんを主な原料とした添加剤である「デクラノボン」を混ぜ合わせ成形することによりできます。

★分解のしくみ
ポリマーに混ぜ合わせた添加剤中のデンプン粒子が、微生物等によって浸食されることで、ポリマーのマトリックスが弱まり、分子量が小さくなります。これを微生物がさらに消化して分解し、最終的に水と二酸化炭素になります。(ニューヨーク州立大学テストで検証済み)デクラノボンの生分解スピードは調節できますが、様々な自然環境の度合いによって変動します。

デクラノボンの主な特徴

1.生分解性 微生物、太陽光、酸化により促進
2.安全性 水と二酸化炭素に分解
3.加工性 従来の設備で成型可能
4.強 度 従来のプラスチックと同等程度


◎BER-REM(バーレム)「植物残滓物を有効利用した素材を使ったうちわの骨」

BER-REMはオカラやフスマ(麦皮)等ほとんど廃棄処理されている植物残滓物を有効利用した、画期的な複合材料です。

1.素 材 植物残滓物(オカラ、麦のフスマ等)に、ポリオレフィン系樹脂バインダーを使用した材料です。
2.低燃焼性 従来のプラスチックは焼却した場合発熱量が大きく、焼却炉の破損の原因になったり、炉の耐久性に悪影響を与えていましたが、BER-REMは、発熱量が低いため、比較的容易に処理することが出来ます。
3.分解性 BER-REMは、材料中の植物残滓物が微生物等により侵食されると分解を始め、ポリマー基質を脆くし、最終的に微粒子に崩壊されます。
4.低公害性 本製品から有害物質であるダイオキシン類は検出されておりません。「廃棄物処理におけるダイオキシン類標準測定分析マニュアルに準拠した試験結果」
5.成形加工性 独自の配合およびペレタイジング技術により、通常と同じようにプラスチック成形機での加工が可能です。

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